不動産用語集
あ行
アイランドキッチン
壁に接することなく独立して設置された調理台の形式。部屋の中で島(英語でアイランドIsland)のようなかたちとなることから名づけられた。
アイランドキッチンは、対面型のキッチンであるとともに、オープンキッチン(ダイニングルームや居間とつながった形式)でもある。開放感やコミュニケーション性に優れている一方、設置のために部屋の広さや強力な換気装置が必要とされる。
なお、アイランドキッチンに類似した調理台の形式として、一端のみ壁に接するかたちのもの(ペニンシュラキッチン)がある。
空家に係る譲渡所得の特別控除
相続した空家の譲渡利益に対する所得税について、課税を軽減する措置。
課税の軽減は、譲渡所得を計算するとき、譲渡利益から3,000万円(譲渡利益が3,000万円未満のときはその額。令和6年1月1日以後に行なう譲渡で被相続人居住用家屋および被相続人居住用家屋の敷地等を相続または遺贈により取得した相続人の数が3人以上である場合は2,000万円まで)を控除する方法で行なう。
特別控除が適用されるのは、相続開始の直前まで被相続人が住んでいた居住用家屋とその敷地を譲渡する場合であって、相続が開始した日から3年を経過する日の属する年の年末までに譲渡するなど一定の条件を満たす場合に限られる。
なお、この措置については、適用期限が定められているので注意が必要である。
アスベスト
石綿(せきめん・いしわた)のこと。
繊維質であるため紡績することができる。また、耐久力があり、溶融点が1,300度程度と高く、熱絶縁性が大きく、耐薬品性も大きいなど、安価で優れた性質を持つため、さまざまな用途に使用されてきた。建築素材としても、断熱材、保温材、耐火材として大量に利用された。
しかし、石綿の繊維を肺に吸入すると、肺がんや中皮腫の原因となることがわかり、1975年には吹き付け使用が禁止され、以後、段階的に使用の規制が強化 されて2006年には全面的に輸入・製造・使用等が禁止された(代替品が確立していない特定の部材については例外的に確立までの間は禁止が猶予されてい る)。
建物の解体などの際には、使用されていた石綿が飛散するなどの恐れがあり、それに伴う健康被害を予防するため、作業方法などについて一定の基準が定められている。
預かり金
他者から預かっている金銭。例えば、賃貸住宅を貸したときに受領する敷金、支払い給与から源泉徴収した税金、取引に当たって受け取った保証金などは、いずれも預かり金である。
預かり金は、いずれは返還しなければならないから、貸借対照表では負債として処理される(1年以内に返還するものは流動負債、1年を超えて預かるものは固定負債)。
なお、返還する必要がなくなった預かり金は、金銭の支払いを受けたことになるので、収入として計上する。また、「預かり金」の逆は「預け金」である。
頭金
購入代金を分割して支払うときに最初に支払う代金。通常、商品引き渡しの際に支払われる。頭金は、以後支払う分割代金よりも多額であることが多い。
たとえば住宅ローンを利用する場合には、購入代金を金融機関から借り入れて販売者に一括して支払ったうえで、借入金を金融機関に分割返済することとなる。この場合に、通常、購入金額のすべてを住宅ローンの対象とすることはできず、代金の一部は自己資金で支払わなければならない。この住宅購入時に住宅ローンを充てることなく自己資金で支払う代金が「頭金」である。
頭金
購入代金を分割して支払うときに最初に支払う代金。通常、商品引き渡しの際に支払われる。頭金は、以後支払う分割代金よりも多額であることが多い。
たとえば住宅ローンを利用する場合には、購入代金を金融機関から借り入れて販売者に一括して支払ったうえで、借入金を金融機関に分割返済することとなる。この場合に、通常、購入金額のすべてを住宅ローンの対象とすることはできず、代金の一部は自己資金で支払わなければならない。この住宅購入時に住宅ローンを充てることなく自己資金で支払う代金が「頭金」である。
アパート
英語の「アパートメント(apartment)」を略した言葉。
わが国では1階建てもしくは2階建ての共同住宅で、建築構造が木造または軽量鉄骨構造のものを一般的に指している。
しかし最近では2階建ての共同住宅であっても、重量鉄骨構造のものがあり、また外壁・内壁も軽量気泡コンクリートパネル等としているものもある。
このため、マンションとアパートの外観上・構造上の区別がつきにくくなってきている。
アパート経営
居住用建物の全部を所有し賃貸する事業をいう。不動産投資として実施されることがある。
アパート経営は不動産賃貸業であるから、事業を行なうことについては宅地建物取引業法の適用はない。ただし、アパート経営の仲介、アパート経営者の委任を受けて行なう賃借人の募集などの業務については、同法の適用がある。
なお、建物の全部ではなく、マンションの一室などを所有して賃貸する事業は「マンション経営」という。
RC
「Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。「鉄筋コンクリート構造」という意味である。
鉄筋とコンクリートによって、柱・小梁・大梁・スラブ・壁を造り、すべての部分を一体化した構造のこと。
鉄筋コンクリートの部材は、引っ張る力にも、圧縮する力にも強いので、地震に対する安全性が高い構造となる。
また、すべての部材がコンクリートで一体化され、部材同士の接合部は剛であるので、建築学上の「ラーメン構造」となっている。
この鉄筋コンクリート構造のデメリットは、自重が大きいため、原則的には大空間建築や高層建築に向かないということである。
位置指定道路
特定行政庁から道路位置指定を受けた私道を、一般に「位置指定道路」と呼んでいる(建築基準法第42条第1項第5号)。
位置指定道路は「建築基準法上の道路」であるので、位置指定道路に面する土地では、建築物を建築することができる。
一時金
毎月支給される給与以外の、一時的に支払われる給与をいう。賞与、ボーナス、期末手当等がこれに該当し、通常、年2回支給される。
一時金の性格については、経営上の業績等に応じて支給される特別の手当て、または、毎月の給与を補填するべく支給される生活給とする2つの考え方がある。しかし、いずれにしても給与であることに変わりはない。
一戸建て
独立した一軒の家屋がひとつの住戸となっている住宅。「戸建て」も同じ意味である。これに対して、複数の住戸で構成される建物を「集合住宅」「共同住宅」という。
一般媒介契約
媒介契約の一つの類型。
一般媒介契約とは、次の1.および2.の特徴を持つ媒介契約のことである。
1.依頼者(すなわち売主等のこと)が「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて媒介を依頼することが原則的に自由である。
2.依頼者自身が、自分の力で取引の相手を発見し、直接契約することが原則的に自由である。
なお、依頼者が、「依頼した宅地建物取引業者」以外の「他の宅地建物取引業者」に重ねて依頼する場合において、その「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に通知するかどうかにより、一般媒介契約はさらに次の2つの類型に分かれる。
1)明示型の一般媒介契約
明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知する義務があるとする媒介契約である。
2)非明示型の一般媒介契約
非明示型の一般媒介契約とは、「他の宅地建物取引業者」の名称と所在地を、「依頼した宅地建物取引業者」に対して通知しなくてよいとする媒介契約である。
イニシャルコスト
収益を得る前にその準備のために必要な費用。英語のinitial costで、「初期費用」ともいう。これに対して、準備が整ったあとの運営に要する費用を「ランニングコスト」という。
建物の建築、事業の開始、機械設備の導入などに当たって発生する。その主な費用は、技術開発費、調査費、設計費、工事費、用地買収費などであるが、これらは、損益分析において固定費とするのが原則である。
囲繞地
公道に通じていない土地を囲んでいる周囲の土地をいう。
民法は、他の土地に囲まれ公道に接していない土地の所有者は、公道に至るために囲繞地を通行することができる(囲繞地通行権)としているが、これは、囲繞地に対して、囲繞する土地を受益地とする法定地役権が設定されていると考えることができる。
囲繞地通行権
他の土地に囲まれて公道に通じない土地(袋地)の所有者が、その土地を囲んでいる他の土地(囲繞地)を通行できるとする権利。民法で定められている権利である。「公道に至るための他の土地の通行権」ともいわれる(民法第210条)。
この場合、袋地の所有者は、囲繞地を通行するために与える損害に対して相応の金銭を支払うことが必要とされている。ただし、土地を分割した結果として袋地が発生した場合には、当該袋地の所有者は、公道に至るために、分割された他の土地を無償で通行することができる。
居抜き
店舗や工場などを、その内部の商品、設備、什器備品などを設置したままの状態で売買・賃貸すること。
従って、居抜きで購入もしくは借りた場合は、以前のままの内装や設計設備等が付帯するので、比較的早期で営業にこぎつけることができる。
違約金
不動産の売買契約では、当事者の一方が債務を履行しない場合には、債務の履行を確保するために、その債務を履行しない当事者が他方の当事者に対して、一定額の金銭を支払わなければならないと定めることがある。
このような金銭を「違約金」と呼んでいる。
「違約金」と「損害賠償額の予定」とは、債務を履行しない当事者が支払う金銭という意味ではよく似た概念である。
しかし「違約金」は、実際に損害が発生しない場合でも支払いの義務が生じるという点で、「損害賠償額の予定」とは大きく異なっている。
ただし実際の売買契約においては、「違約金」という言葉を「損害賠償額の予定」と同じ意味で使用していることも多い。
さらに民法(第420条)では、違約金という言葉の意味について、売買契約書でその意味を明示していない場合には、違約金は「損害賠償額の予定」の意味であるものと一応推定されると定めている。
このように「違約金」は、「損害賠償額の予定」と同じ意味であると解釈されるケースも実際には多いのである。
そのため売買契約書において本来の意味での「違約金」を定める場合には、その意味を明記しておくことが望ましいといえる。
なお、宅地建物取引業法では、宅地建物取引業者が売主となる宅地建物の売買契約においては、「損害賠償額の予定」と「違約金」との合計額は売買代金の2割を超えてはならないと定めている(宅地建物取引業法第38条)。
これは売買取引に精通していない一般の買主が不利にならないように特に保護している強行規定である。
宅地建物取引業者同士の売買取引については、この宅地建物取引業法第38条は適用されない。
インカムゲイン
資産の保有によって得る利益。英語のincome gain。不動産の賃料、株式の配当、預金の利子などがこれに該当する。
不動産のインカムゲインは、賃料収入から保有・管理費用を減じた価額である。
インカムゲインに対して、資産価額の変動によって得る利益を「キャピタルゲイン」と言い、例えば、不動産の売却益がこれに該当する。
印鑑証明書
捺印された印影(印を紙などに押した跡のかたち)が、あらかじめ届けられた印影(印鑑)と同一であることを証明する官公署の書面。届出できる印鑑は一つに限られている。
公正証書の作成、不動産登記、重要な契約などの際に、文書作成者が本人であることを証明するため必要とされる場合が多い。
印鑑証明書の交付は、個人の印鑑については、通常、市区町村長が条例等に従って行なうが、商業登記に当たって提出した印鑑については登記所が担当する。
印鑑届けをした印影を生む印が「実印」である。
印紙税
契約書、受取書、証書、通帳などを作成する際に課税される税金。国税である。
印紙税は、印紙税法に定められている20種類の文書(課税文書)に対して課税される。例えば、不動産売買契約書、建築工事請負契約書、土地賃貸借契約書、代金領収書などは課税文書であるが、建物賃貸借契約書や不動産媒介契約書は課税文書ではない。
納付方法は、課税対象となる文書に収入印紙を貼り、その収入印紙に消印を押すことによって納税が完了する。この場合に、契約等において両当事者が文書を2通作成するときにはその2通についてそれぞれ印紙税を納付しなければならない。
印紙税を納めなかった場合には、印紙そのものを貼付しないときは納付すべき金額の3倍(自ら申告したときは1.1倍)、消印をしないときは消印をしない印紙と同額の「過怠税」が課税される。
印紙税額は、文書の種類および文書に記載された契約金額等に応じて定められている。
なお、不動産の譲渡に関する契約書および建設工事の請負に関する契約書については、税率の引き下げが措置されている。ただし、この特例の適用については期限が定められているので、具体的な期限について確認が必要である。また、電子契約の場合には原則印紙税が不要となる。
インスペクター
建物の状況を検査・調査すること(建物の住宅インスペクション)に関する専門的な知識・技能を有すると認められた者。英語のInspectorであるが、英語では建物の検査・調査を行なう者に限定せず広く“検査官”を意味している。
(日本における)インスペクターは通称であって公的な資格ではないが、一般に、「既存住宅インスペクション・ガイドライン」に基づく一定の講習等を履修して住宅インスペクションを実施できる者を指している。そのための講習等は、各種の団体が実施している。
また、2017年2月に「既存住宅状況調査技術者講習登録規程」が制定され、国土交通大臣が登録した機関によって「既存住宅状況調査技術者講習」を実施する仕組みが制度化された。この講習は住宅のインスペクションに関するものであり、これを修了した「既存住宅状況調査技術者」もインスペクターである。
なお、宅地建物取引業法に基づき、宅建業者は、
1)既存住宅の媒介契約に当たって交付する書面に、建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項を記載しなければならず、
2)重要事項説明に当たって、建物状況調査に実施の有無及びその結果の概要を説明しなければならない
とされているが(2018年4月1日から適用)、この場合の建物状況調査に当たるインスペクターは、建築士または国土交通大臣が定める講習を修了した者でなければならない。
インナーバルコニー
屋外に開かれた部屋状の空間。屋外とのあいだに壁がない一方、バルコニーと違って屋根を備えている。形状はベランダと似ているが、部屋として利用でき、原則としてその床面積は容積率に算入される。
ウィークリーマンション
短期間の居住のために賃貸されるマンションをいう。「短期賃貸マンション」ともいわれる。
家具、家電製品、食器・調理器などが備わっていて、一時的な滞在の便を満たすことができる。また、賃貸住宅に比べて賃貸借の手続きが簡単である。
ウィークリーマンションの営業は、旅館業法による宿泊営業または不動産賃貸営業(貸室業)のいずれかにあたるが、その基準は明確ではない。一応の目安として、賃貸期間が1ヵ月を超えていれば貸室業であるとされている。
ウィークリーマンションを宿泊営業に充てる場合には、旅館業法による許可が必要で、一定の設備の設置等が求められる。
ウォークインクローゼット
ウォークイン、つまり歩いて入れるクローゼット、衣類の押入のこと。衣装ダンス、衣裳戸棚を指すワードローブは家具のニュアンスが強いのに対して、ウォークインクローゼットは造り付け家具、ないし部屋の意味に使われることが多い。
ウォークスルークローゼット
通り抜けできるクローゼット(衣服の収納空間)。英語のwalk through closet。
部屋間の通路の壁面を利用して設置されることが多く、ウォークインクローゼットと違って扉がない場合が多い。
雨水枡
建物敷地に敷設された雨水排水管(雨樋や集水枡からの雨水を集めて導く配管)の合流部や屈曲部に設置される枡。一般に円筒形で蓋が付いている。土砂を沈積させるほか、清掃や配管の点検に用いられる。
なお、敷地内の雨水を処理する方法には、雨水排水管を敷地外の公共排水路に接続する方法と、雨水排水管を敷地内に設けた浸透枡に導いて地面に浸透させる方法とがある。
内金
内金とは、売買契約が成立した後に、売買代金の一部として買主から売主へ交付される金銭のこと。
手付が売買契約が成立する際に交付されるのに対して、内金は契約成立後に交付されるという違いがある。
また、手付は契約の義務が履行されれば代金に充当されるのに対して、内金は交付される時点ですでに代金の一部である。
内法
建物の床面積を測定する際に壁の厚みを考慮せず、壁の内側の部分の面積だけを「床面積」とする考え方のことである。
不動産登記法では、分譲マンションなどの区分所有建物を登記する場合には、この内法の考え方で床面積を計算することとされている(不動産登記規則第115条)。
この反対に、建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のことを「壁心(へきしん・かべしん)」という。
ちなみに建築基準法では、建築確認を申請する際には、建物の床面積はこの壁心の考え方で測定することとしている(建築基準法施行令第2条第1項第3号)。
従って、分譲マンションなどの区分所有建物については、建築確認を申請する際には床面積を「壁心」で求めるが、その後に登記をする際には床面積を「内法」で求めているのである。
ウッドデッキ
庭の一部に設けられた木製の床で、居間等と連続した造りになっているものを「ウッドデッキ(木の甲板)」という。
売建住宅
開発した宅地を分譲する際に、同時に宅地の購入者がその宅地に建設する住宅を分譲事業者に発注する方法で建てられた住宅をいう。
「建売住宅」の建築主は不動産会社であるのに対して、「売建住宅」の建築主は宅地の購入者である。建売住宅に比べて設計などの自由度は高いが、建築を請け負う業者はあらかじめ決められている他、用意された建物の設計モデルから選択して発注することが多い。
なお、宅地分譲の方法は、大きく、宅地のみの分譲(更地分譲)と住宅付の分譲(建売分譲)に分かれるが、売建住宅はその実態を照らせば後者の類型に近いと考えてよい。また、宅地分譲の際に一定期間内に住宅を建設することを条件とする方法(建築条件付宅地分譲)があるが、売建住宅はこの方法の一つでもある。
エコキュート
ヒートポンプ(熱媒体の圧縮・膨張サイクルによって低温の熱を高温に移す技術)を利用して、大気の熱で湯を沸かして給湯する機器。エコキュートという名前は「エコ」と「給湯」をつないだ統一商品名である。
熱媒体を圧縮するための動力源として電力を使うが、発熱のためのエネルギーとしては電力を利用しないため、水を直接に熱して給湯する場合と比べてランニングコストが小さく、環境負荷も少ないとされている。
SRC
「Steel Reinforced Concrete」の頭文字を取ったもの。
「鉄骨鉄筋コンクリート構造」という意味である。
鉄筋コンクリートに、鉄骨を内蔵させた建築構造。
比較的小さい断面で、強い骨組を作ることができ、粘り強さもあるため、高層建築に多用されている。
S造
Sは「Steel」のことであり、「鉄骨構造」という意味である。
鉄骨造とも。
柱と梁を「鉄骨」で作り、壁・床に「木質系パネル」「軽量気泡コンクリートパネル」「窯業系パネル」など使用した構造のこと。
主要な構造を形成する鉄骨の種類により「軽量鉄骨構造」と「重量鉄骨構造」に分けることができる。
LPガス
可燃性炭化水素を圧縮し液化した燃料で、Liquefied Petroleum Gasの略語。日本では「液化石油ガス」と訳され、「プロパンガス」も同じ意味で使われている。
主成分は、石油から精製されるプロパン(構造式 CH3-CH2-CH3)またはブタン(構造式 CH3-CH2-CH2-CH3)で、常圧常温で容易に気化し、燃焼時の発熱量が大きい。本来無色無臭であるが、微量の硫黄系化合物で着臭されていて、液体のままボンベに充填して運搬・供給される。
なお、LPガスに似た燃料用ガスとして「都市ガス」があるが、都市ガスの主成分はメタン(分子式CH4)で、ガス管によって気体のまま供給される。
オートバス
自動的に給湯する機能を備えた浴槽。和製英語である。
湯量、湯温などを設定しておけば、給湯の開始をボタンなどで指示するだけで設定どおりに給湯される。この場合、自動的に追い焚きする機能を備えたものを「フルオートバス」、追い焚きのためには別途の指示が必要なものを「セミオートバス」という。
なお、オートバスであっても浴槽の栓は自動的に開閉しない。
オーナーチェンジ
賃貸住宅の所有者が、賃借人が入居したままその建物を売却することをいう。
購入者は新たに賃借人を見つける必要がなく、投資用のワンルームマンションでよく使われる方法である。その際に、賃借人から預かっている敷金の引渡しや建物の管理ルールの引継ぎなどに注意が必要である。
オープンキッチン
居室・食事室と一体となっていて、部屋と仕切りがない調理スペースをいう。
間取りを広くとることができ、調理中にも居室とコミュニケーションを保つことができる一方、調理に伴う臭いなどが居室・食事室に波及することへの対応や、収納スペースの適切な確保が必要となる。
オープンハウス
本来は、企業のオフィスや生産施設を、顧客・取引先・投資家に見学させて、企業に対する理解度を高めるという企業広報活動のこと。
不動産業界では、販売しようとする物件の内部を一定の期間、担当営業員が常駐して、買い希望客に公開するという販売促進活動を指す。
オール電化システム
住宅内の熱源、例えば冷暖房、給湯、調理などに必要な熱をすべて電気で賄うシステムをいう。
燃料の燃焼による有害物質や水蒸気が発生しないこと、火事の恐れが比較的小さいことなどが特徴とされる。
か行
買い換え特約
不動産の買主が、別の不動産を売却した代金をもって当該不動産の購入費用に充てることを「買い換え」という。
こうした買い換えでは、別の不動産の売却が不調に終わったときには、当該不動産の購入ができなくなるケースが多い。
そのため実際の不動産取引では、別の不動産の売却が不調に終わった場合には、買主は不動産を購入する契約を解除し、契約を白紙に戻すことができるという特約を盛り込むことがある。こうした特約を「買い換え特約」と呼んでいる。
「買い換え特約」は、買主が一定の場合に解除権を行使することを認める特約であるので、「買い換え特約」では次の事項を明記しておくのが望ましい。
1.買主に解除権が発生するための具体的な条件(どのような物件がいくらで、いつまでに売却できないときに買主に解除権が発生するのか)
2.買主が解除権を行使した際の売主の義務の内容(売主が契約締結時に受領した手付金や代金を返還するか否か)
3.買主が解除権を行使した際の買主の義務の内容(買主に損害賠償義務が存在しないこと等)
買い換えローン
旧居を売却して新居を購入するという住み替えを行う場合に設定される住宅ローン。
特に、旧居の住宅ローンがまだ完済されていない場合には、まずこれを完済して抵当権を消滅させることが取引成立のための重要な前提となることが多いが、売却で得た代金がローン残高を下回り(担保割れ)、旧居の抵当権を消滅させることができない場合もある。また、仮に売却に成功しても、旧居の残債務と新居のローンという二重の返済義務(ダブルローン)を抱えていかなくてはいけない可能性が生じる。このような事情から、買い替えローンについては、新居の住宅ローン契約に付随して、旧居の残債務を完済するための融資についても一定の条件のもとに準備している金融機関が多い。
開発許可
宅地造成等(開発行為)を行なう際に必要とされる許可のこと。都市計画法に基づく制度である。
1.趣旨
都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、開発許可の制度を設けている。一定規模以上の開発行為を行なうためには、知事(指定都市等では市長)から開発許可を受ける必要がある。
2.開発許可の概要
1)許可の対象は「開発行為」である。
2)開発行為を行なおうとする者は、開発行為に着手する前に知事(指定都市等では市長)の許可を受ける必要がある(都市計画法第29条)。
3)一定の開発行為については、開発許可を受ける必要がない。
4)知事等が開発許可を与えるか否かを審査する基準には、全国どこでも適用される全般的許可基準(技術的基準、都市計画法第33条)と、市街化調整区域内の開発行為についての基準(立地基準、都市計画法第34条)とがある。
3.開発行為
開発許可の対象は「開発行為」である。開発行為とは「建築物の建築または特定工作物の建設のために土地の区画形質を変更すること」である(詳しくは「特定工作物」「土地の区画形質の変更」を参照)。
4.開発許可を得る必要がない開発行為
次のような開発行為は開発許可を受けないで行なうことができる。
1)次の面積に達しない開発行為
・東京都の特別区・既成市街地・近郊整備地帯等:500平方メートル未満
・市街化区域:1,000平方メートル未満
・区域区分が定められていない都市計画区域: 3,000平方メートル未満
・準都市計画区域:3,000平方メートル未満
ただしこれらの面積は、特に必要があると認められる場合には、都道府県・指定都市等の条例で「300平方メートル未満」にまで引き下げることができる。
2)市街化調整区域・区域区分が定められていない都市計画区域・準都市計画区域における、農林漁業者の住宅を建築するための開発行為および農林漁業用の建築物を建築するための開発行為
3)公益施設のための開発行為
公益施設は、駅舎、医療施設、小中学校、高校、公民館、郵便局、図書館、墓地、火葬場、と畜場、し尿処理施設、ごみ処理施設、卸売市場など政令で指定するものに限る。
4)国・都道府県・一定の市町村が行なう開発行為
5)都市計画事業の施行として行なう開発行為
6)市街地再開発事業の施行、住宅街区整備事業の施行、土地区画整理事業の施行として行なう開発行為
7)非常災害のため必要な応急措置、通常の管理行為・軽易な行為に該当する開発行為
通常の管理行為・軽易な行為は、仮設建築物の建築、土木事業などに一時的に使用するための第一種特定工作物の建設、車庫・物置その他附属建築物の建築、建築物の増築で増築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、建築物の改築で用途の変更を伴わないもの、建築物の改築で改築に係る床面積の合計が10平方メートル以内のもの、主として当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売加工修理等の業務を営む店舗・事業場などの新築(延べ面積が50平方メートル以内)であって当該開発区域の周辺の市街化調整区域内に居住している者が自ら当該業務を営むために行なう開発行為(開発規模が100平方メートル以内に限る)など、政令で指定するものに限る。
5.開発許可の基準
知事(指定都市等では市長)が開発許可を与える場合の基準が定められている。この基準には、全国どこでも適用される全般的な基準(技術基準、都市計画法第33条)と、市街化調整区域内においてのみ適用される基準(立地基準、都市計画法第34条)の2種類がある。市街化調整区域では両方の基準を満たさなければならない。(開発許可基準については「開発許可の基準(全般的許可基準)」「開発許可の基準(市街化調整区域内の許可基準)」参照)
6.都市計画区域・準都市計画区域以外の区域における開発行為
都市計画区域および準都市計画区域以外の区域においてその面積が1万平方メートル以上開発行為を行なう場合は、4の2)〜7)に該当しない限り開発許可を受けなければならない。
開発行為
都市計画法上の開発許可の対象となる行為のこと。
1.趣旨
都市計画法では、無秩序な開発を規制するために、宅地開発に対しては知事(または市長)の許可が必要であると定めており、これを開発許可という(都市計画法第29条)。この開発許可の対象となる行為が「開発行為」である。
2.定義
開発行為とは、正確には「主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行なう土地の区画形質の変更」と定義されている(都市計画法第4条第12項)。
ここで「特定工作物」と「土地の区画形質の変更」の意味については、おおよそ次のように定義されている。
1)特定工作物
コンクリートプラント、ゴルフコース、1ha以上のテニスコートなどのこと(詳しくは特定工作物へ)。
2)土地の区画形質の変更
宅地造成、道路の新設などを伴う土地区画の変更、農地から宅地への変更などのこと(詳しくは土地の区画形質の変更へ)。
2.の定義に該当しない行為は、開発行為ではないので、開発許可を必要としない。例えば、1ha未満のテニスコートの建設のための宅地造成は、開発行為に該当しない。また建築物を建築する目的で、登記簿上で土地を合筆することは「土地の区画形質の変更」ではないので、開発行為に該当しない。
開発道路
都市計画法による開発許可を受け開発行為によって開発区域内に設置された道路で、開発許可申請の際の設計に従って公共的な施設として設置されたものをいう。
設置後は、原則として市町村等に移管されて道路法の道路として管理される。通常、建築基準法の接道義務を満たすために設置される私道よりも幅員が広い。
カウンターキッチン
キッチン(台所)とダイニングルーム(食事室)の間に、料理などをやりとりできるカウンター(台)を設置する方式又はその方式で造られたキッチンをいう。キッチンを開放的な空間とする方法として用いられている。カウンターキッチンは英語でCounter kitchenと綴れるが、意味上は和製英語である。
カウンターの設置方法には、キッチンとダイニングルームの間仕切り壁に大きな窓を空けてカウンターを置く方式、ダイニングルームの一角に調理台を設置しそれにカウンターを直接付置する方式などがある。
なお、カウンターキッチンの多くは、調理台がダイニングルームと開放的に向き合う配置となっているが、このような配置方式を「対面キッチン」という。
隠れたる瑕疵
「瑕疵」とは「きず」「不具合」「欠陥」という意味である。
「隠れたる瑕疵」とは、特定物(建物・土地などその固有性に着目して取引され代替性がない)の売買契約を締結した時点において買主が知らなかった瑕疵であり、かつ買主が通常要求されるような注意力を働かせたにもかかわらず発見できなかった瑕疵のことである。
例えば既存住宅の売買において、屋根の一部に欠陥があったため、引渡し後に雨漏りが発生したとする。この場合、屋根の欠陥が「瑕疵」に該当する。そして買主が売買契約当時にこの欠陥があることを知らず、かつ買主が通常要求されるような注意力を働かせても、この欠陥を発見することができなかったであろう場合には、この欠陥は「隠れたる瑕疵」に該当するといえる。
民法(債権関係)改正(施行は2020年4月1日から)以前は、民法で、特定物の売買契約において、その特定物に「隠れたる瑕疵」があったとき、売主は買主に対して「瑕疵担保責任」を負うものと規定されていたが、改正によってこの規定は削除され、「隠れたる瑕疵」の担保責任を含めて契約不適合責任に統合・整理された。
火災保険
火災による損害を補填するための保険。
火災保険契約を締結すれば、住宅、家財、店舗、工場、事業用資機材等が火災によって消失、損傷した場合に、生じた損害に対して保険金が支払われる。
一般に、火災のほか、落雷、爆発、風災などによる損害についても補填するよう設計されている。ただし、地震によって発生する火災の損害は、火災保険ではなく地震保険(火災保険に付帯されることもある)によって補填される。
火災保険の保険期間は、一般に、生命保険に比べて短い。また、保険金(保険者が支払う金銭)は、生命保険と違って、原則として被保険者が現実に被った損害額に基づいて算定される。
家財保険
建物の中にある生活用の動産(家具、家電製品、衣類等)が、火災や災害によって損害を受けたときに補償する保険。火災保険の対象が「建物のみ」の場合には家財の損害は補填されないので、補償を受けるためには、別途、家財保険に加入する必要がある。
特に賃貸住宅においては、一般に建物については貸主が火災保険に加入しているが、家財については保険の対象とされていない。家財の損害を補填するためには借り主が家財保険に加入する必要がある。また、借り主が居室などに大きな損害を与えたときには、原状回復費用を負担しなければならないが、家財保険とセットになった「借家人賠償責任補償」に加入すればその費用を補填することができる。
瑕疵
法律上の欠点や欠陥。瑕疵があると、意図した法律的な効果は完全には生じない。瑕疵の具体的な内容や法律効果への影響は、民法に定められている。
例えば、詐欺・強迫によってなされた意思表示は、「瑕疵ある意思表示」として、表意者は取り消すことができる。あるいは、悪意・過失・強暴・隠秘による占有は、「瑕疵占有」として、即時取得、時効取得の完成、果実の取得が求められない場合がある。
また、売買の目的物が契約に適合しないものであるとき(契約不適合の場合)には、買主は追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除をすることができるが、これは、売主が目的物の瑕疵についての担保責任(瑕疵担保責任)を負っているからである。
なお、債権関連の民法改正(2020年4月1日施行)までは、売買の目的物に「隠れた瑕疵」があったときには売主に瑕疵担保責任を課す旨の規定があった。この規定は改正によって削除され、瑕疵担保責任は、改正で整備された契約不適合に関する規定によって対応することとされた。
瑕疵担保責任
売買契約や請負契約の履行において、引き渡された目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合に、売主・請負人が買主・注文者に対して負うこととなる責任。債務不履行により生じる責任のひとつで、目的物が特定物(その固有性に着目して取引され代替性がない)である場合の「契約不適合責任」と同義である。
瑕疵担保責任を負わせるためには、買主・注文者は、売主・請負人に対して、履行の追完請求(補修等の実施請求)、代金の減額請求、報酬の減額請求、損害賠償請求または契約解除権の行使をしなければならない。
瑕疵保証
瑕疵が発見されたときにそれによって生じた損失を補填することを、あらかじめ約束すること。不動産に瑕疵があった場合には、売主が買主に対して瑕疵担保責任を負うのが原則であるが、それを補完するために、第三者が、瑕疵により発生した一定の損害を負担する仕組みがある。これが瑕疵保証である。
例えば、住宅の新築について工事請負人は引き渡しから10年間、住宅の構造耐力上主要な部分などについて瑕疵担保責任を負うが、住宅の性能を評価する制度を利用すれば、評価者がその瑕疵を保証する仕組みが用意されている。
課税標準
税額を計算するときに、税率を乗じる対象となる価額をいう(税額=課税標準×税率)。
例えば、所得税では所得控除後の所得額、法人税では利益額が課税標準であるというように、税の種類によって算出方法が異なる。また、所有権移転登記に係る登録免許税や固定資産税については、固定資産台帳に登録された価格が課税標準であるが、住宅用地などに特例措置が適用される場合には固定資産税の課税標準が減額されるなど、特別の措置があるので注意が必要である。
課税標準額
課税において、課税金額を算出する上で基礎となる金額をいう。
税目に応じてそれぞれ一定の方法で算出される。
例えば、固定資産税については固定資産課税台帳に登録された不動産の価格(住宅用地等のように特例措置が適用されるときにはその適用後の価額)を、消費税については課税資産の譲渡等の対価の額(その譲渡等につき課されるべき消費税額および当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額を控除したもの)を、それぞれ課税標準額としている。
課税文書
印紙税が課税される対象となる契約書および受取書のことを「課税文書」という(印紙税法第3条第1項)。
具体的には次の1.から6.などが「課税文書」に該当する(印紙税法別表第一)。
1.不動産売買契約書
2.建築工事請負契約書
3.土地賃貸借契約書
4.金銭消費貸借契約書
5.5万円以上の売上代金の領収証
6.5万円以上の売上代金以外の金銭の領収証
(補足)
・建物賃貸借契約書は課税文書ではない。
・不動産の仲介を依頼した場合に作成する「不動産媒介契約書」は課税文書ではない。
・売上代金の領収証とは、「手付金の領収証」「不動産売買代金の領収証」「賃貸料の領収証」「不動産仲介手数料の領収証」などである。
・売上代金以外の金銭の領収証とは「敷金の領収証」などである。
家族信託
家族間で締結する信託契約。
例えば、親の住宅を子供に信託し、受益権を親が保有すれば、住宅の所有・管理は子供が行ない、親はその住宅に安定的に居住するという法的な関係が生まれる。この場合、信託行為に対しては贈与税は課税されない。また、相続の対象となるのは信託受益権である。信託契約において、受益権の管理処分の方法を指図することもできる。
なお、家族信託の要件、効力等は、信託法の一般的な定めによる。例えば、未成年者は受託者になれない、受託者は信託利益を享受することができない、信託財産は信託登記・登録をしないと第三者に対抗できないなどである。
壁心
建物の床面積を測定する際に、壁の厚みの中心線を想定し、この中心線に囲まれた面積を「床面積」とする考え方のこと。「壁芯」と書くこともある。
この「壁心」の考え方で計算すると、壁の厚みの分が床面積に加算されるので、実際に使用可能な部分の床面積よりもやや大きな床面積となる。
建築基準法では、建物の床面積とは「壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の面積」であると規定しているので、建築基準法は壁心の考え方を採用しているということができる(建築基準法施行令第2条第1項第3号)。
なお、この「壁心」と異なる床面積の測定方法として「内法(うちのり)」がある。
還元利回り
資産の収益から資産価格を算出する際に用いる利率をいう。
「キャップレート(Cap Rate)」とも呼ばれる。
資産価値は、発生するであろう収益額を現在価値に割り戻して総計した額に等しいと考えられているが、このとき現在価値に割り戻すために用いる利率が還元利回りである。
その値は、資産の種類や条件によって異なるが、おおむね一般的住宅では5~7%、事業用は8~10%が目安とされている。逆に、資産価格と収益額が与えられれば還元利回りを求めることができるが、利回りが高いほど収益性が高いと判断してよい。
換地
土地区画整理事業によって行なう土地の所有権の変更をいう。
土地区画整理事業においては、土地の区画についてその位置等を変更する必要があるが、そのために行なわれる、区画を変更する前の宅地(従前の宅地)から区画を変更した後の宅地(新しい宅地)への土地の所有権の変更手続が「換地」である。
宅地所有者から見れば、いったん従来の宅地を失い、それと同時に新しい宅地を与えられるということである。また、こうして宅地所有者に与えられる新しい宅地そのものを「換地」と呼ぶこともある。
官民境界査定
公共用地などの行政財産とこれに隣接する民有地との境界を確定すること。
確定のためには、行政財産の管理者と隣接民有地の所有者とが立ち会って協議しなければならない。また、協議が不調の場合には、訴訟などによって手続きを進めることになる。
なお、行政財産の管理者に代わって土地家屋調査士などが立会い・協議に当たる、公共嘱託制度がある。
管理委託契約
分譲マンションの管理組合または賃貸住宅の賃貸人が、管理会社に対して、マンションまたは賃貸住宅の管理を委託する契約。
管理会社は、マンション管理適正化法に定める「マンション管理業者」または賃貸住宅管理業法に定める「賃貸住宅管理業者」として登録しなければならず、管理契約の締結に当たっては、次の義務がある。
1.管理会社は、管理委託契約の締結前に一定の重要事項を説明しなければならない。
2.管理会社は、管理委託契約を締結するときに、一定の事項を記載した書面(管理委託契約書)を遅滞なく交付しなければならない。なお、書面の交付は紙の書面交付または政令で定めるところにより電磁的交付を行なうこともできることになっている(マンション管理適正化法第73条)。
管理会社
不動産所有者の委託により、その所有する不動産の管理業務を行なう企業をいう。
管理業務の内容は、大きく分けて、設備の保守・点検、防火・警備など(作業の実施)、賃料や共益費の徴収、諸料金の支払いなど(経理事務)、テナントの募集、賃料の改定、修繕計画の立案など(経営的業務)がある。このように幅広い業務があり、そのための技術も多様であることから、その一部を受託することが多い。
なお、管理会社は、管理の対象となる不動産の性格に応じて、マンション管理業、ビル管理業、賃貸住宅管理業に大別できる。このうちマンション管理業については、法律に基づき登録する義務がある。また、賃貸住宅管理業についても、一定以上の管理戸数の委託を受ける管理会社は法律に基づき登録する義務がある。
管理組合
分譲マンションなどの区分所有建物において、区分所有者が建物および敷地等の管理を行なうために区分所有法にもとづいて結成する団体のこと(ただし区分所有法上では「管理組合」という言葉を使用せず、「区分所有者の団体」と呼んでいる)。
区分所有建物においては、区分所有者は区分所有法により、当然にこの「管理組合」に加入することとされているので、区分所有者の任意で管理組合から脱退することはできない(区分所有法第3条)。
このような管理組合は、集会(いわゆる管理組合の総会)を開き、管理に関するさまざまな事項を議決し、管理規約を定める。
また管理組合の通常業務を執行するために、管理規約にもとづいて複数の理事が選出され、この理事によって構成される理事会が業務を行なう。
また管理組合は、法人になることができる。法人になった管理組合は「管理組合法人」と呼ばれる。
管理費(賃貸物件の~)
賃貸マンション・アパート、貸家において、借主が貸主に対して毎月支払う金銭であって、賃貸物件の管理のために必要とされる費用のこと。
「共益費」と呼ばれることもある。
管理費(分譲マンションの~)
分譲マンションにおいて、区分所有者が管理組合に対して毎月納入する金銭であって、共用部分や建物の敷地などの管理に要する経費に当てるために消費される金銭のこと。
具体的には、管理会社に対する管理委託費や管理組合の運営費用などの経費に充当される。
カースペース
屋根のない自動車置き場。空き地に駐車する状態で、車庫とは言い難い。カースペースは和製英語。
なお、屋根を差し掛けただけの簡易な車庫が「カーポート(carport)」、屋根と壁とを備えた車庫が「ガレージ(garage)」である。
カーポート
屋根と柱のみで壁がない簡易な自動車車庫をいう。英語のCarport。
カーポートは、車庫と違い建物ではないが、青空駐車場と違って雨を避けることができる。
外構
建物の外に設ける工作物。
門、塀・垣根、庭木などが該当し、敷地の境界を形づくるとともに、建物の壁面などと一体となって敷地の景観や雰囲気を形成する。
なお、「外構」と「エクステリア」とは同じ意味である。
外壁の後退距離
第一種・第二種低層住居専用地域では、道路や隣地との境界線から一定の距離だけ、外壁を後退させなければならない場合がある。これを「外壁の後退距離」という。
この「外壁の後退距離」は都市計画によって規定される制限である。逆にいえば、都市計画に定めがないならば、第一種・第二種低層住居専用地域であっても、外壁を後退させなくてよいということである。
都市計画で「外壁の後退距離」が定められると、建築物同士の間に一定の空間が常に確保されるようになり、日照・通風・防火などの面で良好な環境が形成される。
都市計画で「外壁の後退距離」が定められる場合、その距離は1mまたは1.5mが限度である(建築基準法第54条2項)。
ガレージ
自動車を格納するための建物(自動車車庫)。英語のgarage。一般 に家屋とは別に独立して設置されるが、家屋内に設置するものは「ビルドインガレージ」という。
ガレージは 建物であって、屋根だけ設置する自動車置き場などはガレージではない。
元金均等返済
借入元金を毎期均等に返済する方法。毎期の支払い金額は、返済する元金に借入金残高に係る利息が加わることから、支払期が早いほど多く、遅くなるに従って少なくなる。
元金均等返済に対して、毎期の支払い金額が均等になるよう元金返済額を調整した方法が「元利均等返済」である。
支払わなければならない利息総額は、元金均等返済のほうが元利均等返済よりも小さくなる。
元利均等返済
借入金を毎返済期に同額で返済する方法。住宅ローンの返済において広く使われている方法である。
完済するまでの各返済期ごとに、返済する元金と支払う利息の合計額が一定となるように、元金の返済額を漸増するよう設定する。これに対して、各返済期ごとに元金を均等に返済することとし、残っている元金に対する利息を加えて支払う方法が「元金均等返済(がんきんきんとうへんさい)」である。
元金均等返済に比べて、完済までに支払う利息の総額が多くなる。一方、元金均等返済では、早い返済期であるほど支払うべき利息が多くなるため、元金を加えた支払額も早期ほど大きくなる。
基準地価
都道府県地価調査により公報された「基準地」の価格のこと。
都道府県地価調査は、国土利用計画法による土地取引の規制を適正に実施するため、国土利用計画法施行令第9条にもとづき、都道府県知事が毎年9月下旬に公表する土地評価である。
評価の対象となるのは、全国の約2万地点の「基準地」である。都道府県地価調査では、毎年7月1日を基準日として各基準地につき1名以上の不動産鑑定士等の鑑定評価を求め、これを審査・調整し、毎年9月下旬に公報する。この公報された価格を「基準地価」という。
このように都道府県地価調査は、地価公示から半年後の地価を評価するものであるので、地価の変動を速報し、地価公示を補完する役割を担っている。
基礎工事
建物の基礎を構築する工事。建物の基礎は建物と地盤とをつなぐ構造物で、建物の荷重や加わる外力を安全に地盤に伝え、地盤の沈下や変形に対して耐える構造でなければならないとされている。
基礎の形式は、杭を地盤に打ち込んで基礎とする「杭基礎」と、地盤をそのまま基礎とする「直接基礎」とに大別される。直接基礎はさらに、主な柱の下のみに基礎構造物を設置する「独立基礎」、柱や壁の下に連続して基礎構造物を設置する「布基礎」、建物底面の全体を一枚の構造物で支える「ベタ基礎」に分かれる。
なお、基礎の設計・施工に当たっては、あらかじめ地盤調査を実施する必要がある。
既存宅地
市街化調整区域は市街化を抑制する区域であるので、建築が厳しく規制されている。
具体的には、市街化調整区域内で建築を行なうことができるのは次の3つのケースである(都市計画法第43条第1項)。
1.開発許可を受けて、その開発許可に適合する建築を行なう場合
2.建築許可が不要な建築を行なう場合
3.建築許可を受けた場合
しかし2001(平成13)年5月18日より前には、市街化調整区域内であっても一定の条件を満たす土地であれば、建築許可を受けないで建築をすることが広く認められるという制度が存在した。
これが「既存宅地」の制度である(旧都市計画法43条1項6号)。
既存宅地の制度とは次の条件のすべてを満たす宅地については、建築許可を受けなくとも、建築物の新築・改築・用途変更を一定の範囲内で認めるという制度であった。
1)市街化区域に隣接している地域内の土地であること
2)おおむね50戸以上の建築物が立ち並んでいる地域内の土地であること
3)市街化調整区域に編入された際にすでに宅地であったこと
4)3)について知事の確認を受けたこと
このような知事の確認を受けた既存宅地については、比較的自由に建築を行なうことができたのである。
しかし、2001(平成13)年5月18日に都市計画法が改正・施行されたことにより、こうした既存宅地の制度は、5年間の経過措置を経たのちに消滅することとなった。
具体的には、改正法施行日(2001(平成13)年5月18日)以前に既存宅地である旨の確認を受けた土地については、施行日から5年間(2006(平成18)年5月17日まで)だけは「自己の居住または業務を行なうことを目的とする建築行為」であれば、従来と同様に建築許可を受けずに建築することができる。
ただし「自己の居住または業務を行なうことを目的としない建築行為」については、経過措置の対象にならないので、原則通り建築許可を取得することが必要となっている。
既存不適格建築物
事実上建築基準法に違反しているが、特例により違法建築ではないとされている建築物のこと。
建築基準法第3条第2項では、建築基準法および施行令等が施行された時点において、すでに存在していた建築物等や、その時点ですでに工事中であった建築物等については、建築基準法および施行令等の規定に適合しない部分を持っていたとしても、これを違法建築としないという特例を設けている。
この規定により、事実上違法な状態であっても、法律的には違法でない建築物のことを「既存不適格建築物」と呼んでいる。
なお既存不適格建築物は、それを将来建て替えようとする際には、違法な部分を是正する必要がある。
また、建築基準法第10条では、特定行政庁は、既存不適格建築物であっても、それが著しく保安上危険であり、または著しく衛生上有害であると認められる場合には、相当の猶予期限を設けて、所有者等に建築物の除却等を命令することができるとされている。この規定により特定行政庁の権限において、著しく老朽化した既存不適格建築物を撤去すること等が可能となっている。
北側斜線制限
次のような高さの規制のことである。
1.自分の敷地の北側に隣の敷地がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、その部分から隣地境界線までの距離が長いほど高くすることができる。
2.自分の敷地の北側に道路がある場合、自分の敷地に建築する建物の各部分の高さは、北側道路と向かいの敷地との道路境界線からその部分までの距離が長いほど高くすることができる。
北側高さ制限は住居系の4つの用途地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域)に適用される。
北側高さ制限は建築基準法56条と同法別表第3で詳しく規定されているが、その具体的な内容は、次の1)・2)の通りである。
1)第一種低層住居専用地域および第二種低層住居専用地域の場合
高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+5m
2)第一種中高層住居専用地域および第二種中高層住居専用地域の場合
高さの限度=隣地境界線から建物の各部分までの距離の1.25倍+10m
※自分の敷地の北側に道路がある場合は、上記1)・2)の「隣地境界線」を「北側道路と向かいの敷地との道路境界線」と読み替えること。
客付
不動産業界用語の一つで、売却を依頼された不動産の買手を見つけることをいう。
依頼された不動産会社が自らそれに当たるとは限らず、他の不動産会社の紹介で買手が見つかることも多い。
一方、売却を依頼されることを「元付」という。
キャピタルゲイン
資産の価格変動に伴って得る利益をいう。
株式や不動産などの売買差益はこれに当たる。
資産から得られる利益の種類で、その保有により得る利益をインカムゲイン、その価格変動に伴って得る利益をキャピタルゲイン(損失はキャピタルロス)という。株式の配当、不動産の賃料、預金の利子などはインカムゲイン、株式や不動産などの売買差益はキャピタルゲイン(譲渡益、資本利得ともいう)である。
両者は税務上の取扱いなどが異なるため、投資に当たっても両者の性格の違いを十分に認識しておくことが重要である。
もっとも、両者は無関係ではなく、資産の価格はそれから得ることのできる利益を現在価格に還元したものの総額に等しいとされているため、例えばインカムゲインが増大すれば資産価格が上昇して、キャピタルゲインを得る機会となる。ただし、資産価格は期待や予想に左右されやすいことに注意が必要である。
規約共用部分
区分所有建物において、区分所有法の規定では専有部分とすることができるが、管理規約によって共用部分とする建物部分をいう。たとえば、マンションの管理人事務室、集会室、駐車場などである。
原則としてすべての区分所有者(賃借人を含む)が利用できるが、専用庭や駐車場などのように、規約によって特定の者に専用の使用権を認める場合もある。
なお、区分所有法によって共用部分としなければならない建物部分を「法定共用部分」という。
規約敷地
区分所有法(建物の区分所有等に関する法律)により、区分所有者の規約によって区分所有建物の敷地とされた土地で、区分所有者が建物および建物が所在する土地と一体として管理または使用をするものをいう。
建物の敷地ではないが、庭園、通路、駐車場など、建物の敷地と一体的に利用される土地がこれに該当する。規約敷地は、区分所有建物の敷地(法定敷地)と同様に区分所有者の共有とされ、原則として専有部分と分離して処分することはできない。
規約敷地は、区分所有建物の敷地と建物利用のために必要な土地とが分離して管理処分されることを防ぐために設定されるが、その設定・廃止は管理組合の意思による。意思決定においては、管理組合の総会において区分所有者および議決権の4分の3以上の賛成が必要とされている。
急傾斜地崩壊危険区域
崩壊する恐れのある急傾斜地(傾斜度が30度以上の土地)で、崩壊により相当数の居住者その他の者に危害が生ずる恐れのあるもの、およびこれに隣接する土地として都道府県知事が指定する区域をいう。
指定は、「急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律」に基づいて行なわれる。
急傾斜地崩壊危険区域内においては、
1.水の放流や停滞行為など水の浸透を助長する行為
2.ため池や用水路などの施設、または工作物の設置、または改造
3.のり切、切り土、掘さく、または盛り土
4.立木竹の伐採などの行為
について都道府県知事の許可が必要であり、知事は許可に当たって、急傾斜地の崩壊を防止するために必要な条件を付すことができるとされている。
なお、自己の居住用住宅の建築を目的とした開発行為を除き、この区域を開発区域に含むことは原則禁止とされている。
旧法上の借地権
借地借家法が施行された日(1992(平成4)年8月1日)より前に成立した借地権であって、旧借地法にもとづく借地権のこと。
借地借家に関する法制度は、かつては借地法・借家法の二本立てであったが、1992(平成4)年8月1日に借地借家法が施行されたことにより、一本化された。
この新借地借家法(1992(平成4)年8月1日施行)にもとづく借地権であって、定期借地権ではない借地権のことを「普通借地権」と呼ぶ。
これに対して、旧借地法にもとづく通常の借地権のことを「旧法上の借地権」と呼ぶことがある。
普通借地権と旧法上の借地権の間には、次のような違いがある。
1.旧法上の借地権は、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には、非堅固な建物(木造を指す)については存続期間を30年とし、堅固な建物については存続期間を60年としていた。
しかし普通借地権では建物の堅固・非堅固による区別がなく、あらかじめ存続期間を定めなかった場合には存続期間を30年とした。
2.旧法上の借地権は、建物が老朽化し、朽廃した場合には、借地権が自動的に消滅することとされていた(旧借地法第2条、第5条)。しかし、普通借地権にはこうした朽廃による消滅の規定がない。
このようにいくつかの相違点があり、しかも現在でも、旧法上の借地権による借地と普通借地権による借地が並存しているため、不動産広告等では両者の違いを明記することが多い。
共益費
賃貸集合住宅の入居者や事務所ビルのテナントが、建物の賃料とは別に負担する費用をいう。
建物全体の清掃や補修、警備等の費用、建物の共用部分に関する付加使用料など、入居者やテナントが分別して負担することが難しい費用が対象となる。専有面積当たりで算出し、月払いするのが一般的である。
なお、法律上の用語としても「共益費」が使われるが、これは同一の債務者に対する各債権者に共通の利益のために要した費用のことである。
例えば、ある債権者が債務者の財産を保存すればそれは他の債権者に利益にもなるので、そのための費用は共益費として、他の債務者に優先して弁済を受けることができるとされる。建物の賃借人が負担する共益費は、これとはまったく別のものであるから、注意を要する。
境界(境界確定)
私法上の概念であり、土地の地番を区切る線をいう。
「けいかい」と読むこともある。
土地は、その表示登記に当たって筆に区分され地番が与えられるが、地番と地番の境が境界である。
争いのある境界を確定するためには、判決により境界線を確定することを求める(境界画定訴訟)ことができる。また2006(平成18)年1月には、当事者の申請に基づき、筆界特定登記官が「筆界調査委員」に調査を依頼した上で、その意見書をもとに境界を特定する制度(筆界特定制度)が創設された。
境界線付近の建築の制限
境界線付近で建物を設ける場合のルール。民法の相隣関係として規定されている。
定められている制限は、
①建物は、境界線から50cm以上の距離を保って築造しなければならないこと
②他人の宅地を見通すことのできる窓または縁側・ベランダを、境界線から1メートル未満の距離で設ける場合には目隠しを付けなければならないことの2つである。
①に違反する建築に対しては、それを中止・変更させることができるが、建築着手後1年を経過し、または建物が完成した後は、損害賠償請求のみが可能とされている。
なお、このルールと異なる慣習があるときには、その慣習に従うとされている。
境界標
土地所有者は、自らの土地を隣地と区分し、所有権等の権利関係を確定して紛争を防止するために境界を設け、その境界を明示し維持する目的で、境界標を設置することができる。民法では「土地の所有者は、隣地の所有者と共同の費用で、境界標を設けることができる。」とし(第223条)、その設置および保存の費用は、「相隣者が等しい割合で負担する。」としている(第224条)。
不動産登記規則では、土地の分筆の登記の申請などの際に提出する地積測量図の内容として、図面上に境界標の位置、符号および種類などを表示すべきことを定めている。
境界標には木杭などが用いられる場合もあるが、法務省のWEBサイトでは、境界石やコンクリート標といった永続性のある境界標を埋設することや、設置に当たり土地家屋調査士に相談することが推奨されている。
共同担保目録
不動産登記において、一つの債権の担保として複数の不動産に対して設定された抵当権(共同担保)を一括して記載した登記事項をいう。例えば、担保価値を保全するために、土地とその上の建物、土地とそれに接続する私道の共有権などを共同担保とするのが通例である。また、担保額を確保するために複数の不動産を共同担保とする場合もある。
従来は、抵当権の登記の際に共同担保とする物件を記載したリスト(これが共同担保目録)を添付することになっていたが、現在は登記官の職権で記載される。
共同担保目録は、登記事項証明書の申請の際にそれを必要とする旨の表示をすれば確認できる。
共有
私法上の概念で、複数の者が、同一の物を同時に所有している形をいう。
例えば、相続人が複数の場合の相続の際に、遺産が分割されるまでは相続人が遺産を「共有」することになる。また分譲マンションの共用部分は、区分所有者の「共有」に属している。
なお、共有物に対する各共有者の権利を「持分」または「持分権」と呼び、それぞれ単独で自由に持分を譲渡することができる。また、共有者の氏名を「共有名義」という。
共有物の変更・管理については、民法の改正(2023年4月1日施行)によって、共有物の「管理」の範囲の拡大・明確化、 共有物を使用する共有者がいる場合のルールの明確化・合理化、 賛否を明らかにしない共有者がいる場合の管理に関するルールの合理化、所在等不明共有者がいる場合の変更・管理に関するルールの合理化、 共有者が選任する共有物の管理者のルールの整備、 共有の規定と遺産共有持分に関するルールの整備などに関するルールが明文化された。
共有持分
複数の人が一つの物を共同で所有しているとき、それぞれの人がその物について持っている所有権の割合を「共有持分」という。
例えば、相続が発生して、3人の子が1つの土地を相続したとき、遺産分割をする前の時点では、各相続人のその土地に関する共有持分は「3分の1」である。
共用施設
マンションの住民が共同で使用する施設。建物区分所有法に定める共用部分に該当するが、躯体やベランダなどは共用部分であっても共用施設ではない。
共用施設は、管理規約等に基づき利用のルールが定められ、管理組合が管理する。
共用施設はすべてのマンションに設置されているわけではないが、主な設置例として、駐車・駐輪場、集会室、ゲストルーム、キッズルームなどがある。
共用部分
分譲マンションのような区分所有建物について、区分所有者が全員で共有している建物の部分を「共用部分」という。
その反対に各区分所有者がそれぞれ単独で所有している部分は「専有部分」と呼ばれる。
具体的には、次の3つのものが「共用部分」である(区分所有法第2条)。
1.その性質上区分所有者が共同で使用する部分(廊下、階段、エレベーター、エントランス、バルコニー、外壁など)
2.専有部分に属さない建物の付属物(専有部分の外部にある電気・ガス・水道設備など)
3.本来は専有部分となることができるが、管理規約の定めにより共用部分とされたもの(管理人室・集会室など)
このような1.~3.の共用部分は、原則として区分所有者全員の共有である(区分所有法第11条)。
また共用部分は共有であるため、各区分所有者はそれぞれ共用部分に関する共有持分を持っていることになる。
この共有持分の割合は、原則として、専有部分の床面積(専有面積)の割合に等しい(区分所有法第14条)が、この割合は規約により変えることができる。
また区分所有者は、その共用部分の共有持分のみを自由に売却等することはできない(区分所有法第15条)。
極度額
根抵当権の目的不動産により担保される債権の弁済上限額。根抵当権の設定に当たって定められ、根抵当権者は、極度額を限度に、確定した元本および利息等・損害賠償金について根抵当権を行使すること(他の債権に先立って弁済を受けること)ができる。
極度額は、利害関係者の承諾を得なければ変更できない。また、元本の確定後は、極度額を、現に存する債権の額および以後2年間に生ずべき利息等・損害賠償金の合計額に減額することができる。
なお、根抵当不動産を取得した第三者等は、元本確定後の債務額が極度額を超えている場合、極度額を支払うことによって根抵当権を消滅させることができる。
居住調整地域
都市再生を図るため、住宅地化を抑制すべき区域として都市計画で定められる地域。地域地区の一つで、「都市再生特別措置法」に基づく制度である。
居住調整地域は、立地適正化計画区域のうち居住誘導区域以外の区域(市街化調整区域を除く)を対象に定められ、地域内では、3戸以上の住宅等の新改築や住宅等への用途変更、またはそのための開発行為(0.1ha以上のもの)に対して、市街化調整区域と同様の規制が適用される。
居住誘導区域
都市再生を図るため、居住を誘導すべき区域として立地適正化計画で定められる区域。「都市再生特別措置法」に基づく制度である。
居住誘導区域内においては、居住環境の向上、公共交通の確保など居住を誘導するための措置が講じられる一方、居住誘導区域外においては、3戸以上の住宅等の新改築や住宅等への用途変更、またはそのための開発行為(0.1ha以上)を行なおうとする場合には、着手の30日前までに市町村長に届け出なければならず、届出に係る行為が住宅等の立地誘導に支障がある場合には、市町村長は立地適正化のための勧告をすることができる。
また、居住誘導地区内で20戸以上の住宅を整備する事業者は、事業実施のために必要な場合には、用途地域、地区計画等の一定の都市計画または景観計画の決定・策定または変更を提案することができる。
切り土
傾斜のある土地を平らな土地にするために、地面を掘り取ること。
宅地造成工事規制区域の中にある宅地において、高さが2mを超える崖を生じるような切り土をする場合には、着手する前に、知事(または政令市・中核市・特例市の市長)の許可を受けることが必要である(宅地造成等規制法第12条1項)。
近隣商業地域
都市計画法(第9条)で「近隣の住宅地の住民に対する日用品の供給を行うことを主たる内容とする商業その他の業務の利便を増進するため定める地域」と定義されている。
この用途地域では、建ぺい率の限度は原則として60%または80%である。また容積率の限度は100%から500%の範囲内(6種類)で都市計画で指定される。
この用途地域では次のような用途規制が行なわれている。
(建築できるもの)
1.住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿、図書館
2.幼稚園、小学校、中学校、高校、大学、専修学校、病院、公衆浴場、老人ホーム
3.店舗等
4.事務所等
5.危険や環境悪化の恐れが少ない作業場面積が150平方メートル以下の工場
6.ホテル・旅館
7.ボーリング場・スケート場・ゴルフ練習場・カラオケボックス・パチンコ屋・麻雀屋等、客席が200平方メートル未満のミニシアター
8.自動車教習所
9.倉庫業の倉庫 など
(建築できないもの)
1.上記に挙げたもの以外の工場
2.上記に挙げたもの以外の遊戯施設・風俗施設 など
区域区分
都市計画によって、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することをいう。
区域区分は、
1.都道府県が、無秩序な市街化を防止し、計画的な市街化を図るため必要があると認めるとき
2.都市計画区域が、指定都市の区域、首都圏の既成市街地・近郊整備地帯、近畿圏の既成都市区域・近郊整備区域、中部圏の都市整備区域の全部または一部を含む場合
に定められる。
なお、区域区分が定められていない都市計画区域を「非線引き区域」と呼ぶことがある。
区域区分が定められていない都市計画区域
市街化区域と市街化調整区域とに区分されていない都市計画区域のこと。
一つの都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域とに区分することを「区域区分」(または「線引き」)と呼ぶが、この「区域区分」がされていない都市計画区域が「区域区分が定められていない都市計画区域」である。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は一般に「非線引き区域」とも呼ばれている(かつては「未線引き区域」とも呼ばれていたが平成12年の都市計画法の改正によりこの呼称は廃止された)。
1.趣旨
都市計画法第7条では、指定都市等では「区域区分」を必ず定めるよう規定しているので、「区域区分が定められていない都市計画区域」は指定都市等以外に存在している(詳しくは「区域区分」へ)。
「区域区分が定められていない都市計画区域」は市街化の圧力が弱い地域であるので、土地利用に関する規制が市街化区域より緩やかであり、開発許可の規制も緩やかである。
2.土地利用の規制について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、用途地域を定めることができるが、必ず用途地域を定めるわけではない。「区域区分が定められていない都市計画区域」の内部において用途地域が定められていない部分は「非線引き白地地域」と呼ばれることがある。なお、この「非線引き白地地域」では用途制限を課す目的で「特定用途制限地域」を設けることができる。
3.都市施設等について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では、都市施設のうち少なくとも「道路、公園、下水道」を定めなければならない(都市計画法第13条第1項第11号)。
また、市街地開発事業、促進区域を定めることも可能である(都市計画法第13条第1項第13号・第8号)。
4.開発許可について
「区域区分が定められていない都市計画区域」では開発許可制度が適用される。ただし、開発許可を受けるべき開発の面積は「3,000平方メートル以上」とされている。ちなみに、市街化区域では開発許可を受けるべき開発の面積は「1,000平方メートル以上」である。
ただし、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに、都道府県・指定都市等の規則により、開発許可を受けるべき開発の面積を「300平方メートル以上」にまで引き下げることが可能である(都市計画法施行令第19条)。
また開発許可の基準については、市街化区域・区域区分が定められていない都市計画区域ともに都市計画法第33条の基準(技術的基準)だけを満たせば、開発許可が与えられる。つまり、区域区分が定められていない都市計画区域に対しては、都市計画法第34条の基準(市街化調整区域の開発許可の基準)は適用されない。
空室対策
賃貸住宅やビルの経営において、賃借人(テナント)がいない住戸(空室)を解消することまたはそのための方策をいう。
空室対策は、借主のニーズにより良く応えることを基本として実施される。
例えば、賃借人の属性を広げる、家賃、敷金など賃借条件を適正化する、リフォームやリノベーションなどによって賃貸スペースの価値を高めるなどが行なわれている。
空中権
2つの意味がある。
1.土地の上空の空間の一部を使用する権利
契約により設定する空間の上下の範囲を定めて土地を独占的に使用する権利をいい、その法的な形式によって「区分地上権」または「区分地上権に準ずる地役権」に分かれる。
区分地上権による空中権は、工作物(例えば空中電線)を所有する目的で上下の限られた空間を排他独占的に使用収益する権利をいう。また、区分地上権に準ずる地役権による空中権は、自己の土地(例えば電柱の設置場所)の便益のために他人の土地の空中を使用する(例えば電線を設置する)権利である。
いずれも、民法上の物権として認められている。
2.未利用の容積率を移転する権利
都市計画で定められた容積率(建物の敷地面積に対する総床面積の割合)のうち、未使用のものを他の土地に移転する権利をいう。
一定の条件のもとで容積率を割増しする方法(実質的に容積率が移転される)としては、「特定街区」「一団地の総合的設計」「高度利用地区」「連坦建築物設計」などの制度があるが、いずれも移転対象建物が隣接していなければならない他、既存建物の未利用容積率を移転することはできない(「連坦建築物設計」を除く)。
もっと広範囲で容積率を移転できる制度としては、「特例容積率適用地区制度」がある。これは、都市計画で一定の区域を定め、その区域内の建築敷地の指定容積率の一部を複数の建築敷地間で移転することを認める制度であり、2001年に創設された。
現在、東京都千代田区の一部が「大手町・丸の内・有楽町地区特例容積率適用地区」(116.7ha)として指定され、東京駅の駅舎敷地で未使用となっている
容積率(東京駅は復元改修後、それ以上容積率を使用しないで保存される)を、その周辺の新築ビル(東京ビルディング、新丸ビル、丸の内パークビル、八重洲側の南北グラントウキョウビル等)に移転して、本来の容積率以上の高層ビル化を実現している。
容積率の移転は建築確認によって認められるもので、当事者が空中権を直接に取引する制度が確立しているわけではないが、容積を移転する敷地に対して移転先の敷地所有者が地役権を設定し、移転敷地所有者にその対価を支払うという方法が取られている。
なお、アメリカでは、未利用容積率を移転する権利がTDR(Transferable Development Right:移転可能な開発権)として法制化されている。
空地率
敷地面積から建築面積(建物が建っている部分の面積)を差し引き、敷地面積で割った値のこと。
敷地に占める空地(くうち:敷地のうち建築物が建てられていない部分のこと)の割合を示す数値である。
空地率が高いほど、建築物の周囲の環境が良好になると考えられている。また近年では高い空地率を確保し、空地に歩行用通路・樹木・植栽等を整備することにより、不動産の価値自体を高めるという開発手法が用いられている。
クッションフロア
プラスチック系床材のうち、塩化ビニル系床材であって、発泡層を含んでいる厚さ2mm前後のプラスチックシートのことを「クッションフロアシート」または「クッションフロア」と呼んでいる。
「クッションフロア」は、表面層と裏打ち層の間に発泡層を挟んでいるため、保温性・衝撃吸収性があり、また水にも強い。そのため、洗面所・脱衣所・台所の床仕上げ材として多用されている。
区分所有建物
区分所有建物とは、構造上区分され、独立して住居・店舗・事務所・倉庫等の用途に供することができる数個の部分から構成されているような建物のことである。
区分所有建物となるためには次の2つの要件を満たすことが必要である。
1.建物の各部分に構造上の独立性があること
これは、建物の各部分が他の部分と壁等で完全に遮断されていることを指している。ふすま、障子、間仕切りなどによる遮断では足りない。
2.建物の各部分に利用上の独立性があること
これは、建物の各部分が、他の部分から完全に独立して、用途を果たすことを意味している。例えば居住用の建物であれば、独立した各部分がそれぞれ一つの住居として使用可能であるということである。
上記1.と2.を満たすような建物の各部分について、それぞれ別個の所有権が成立しているとき、その建物は「区分所有建物」と呼ばれる。区分所有建物については、民法の特別法である区分所有法が適用される。
代表的なものとしては分譲マンションが区分所有建物である。しかし分譲マンションに限らず、オフィスビル・商業店舗・倉庫等であっても、上記1.と2.を満たし、建物の独立した各部分について別個の所有権が成立しているならば区分所有建物となる。
なお区分所有建物では、建物の独立した各部分は「専有部分」と呼ばれる。
また、この専有部分を所有する者のことを「区分所有者」という。
廊下・エレベータ・階段などのように区分所有者が共同で利用する建物の部分は「共用部分」と呼ばれ、区分所有者が共有する。
また建物の敷地も、区分所有者の共有となる(ただし土地権利が借地権である場合には「準共有」となる)。このとき区分所有者が取得している敷地の共有持分は「敷地利用権」と呼ばれる。
従って区分所有建物においては、区分所有者は、専有部分の所有権、共用部分の共有持分、敷地の共有持分という3種類の権利を持っていることになる。
繰上返済(住宅ローンの〜)
住宅ローンで借りた資金を、当初の契約よりも前倒しで返済すること。繰り上げ返済した金銭は、元金の返済に充当される。返済すべき元金が減少するため、その後の利息負担も減少する。
繰上返済の方法には、(1)毎月の返済額を変えずに返済期間を短くする方法(期間短縮型)と、(2)返済期間を変えずに毎月の返済額を減らす方法(返済額軽減型)とがある。利息を含めた負担総額は期間短縮型のほうが少なくなる一方、返済額軽減型は返済に充てる毎月の負担額を小さくできる。
クーリングオフ
一定期間、無条件で契約の申込みの撤回または解除ができる制度。消費者を保護するための措置で、訪問販売、電話勧誘販売などに適用されるが、一定の宅地建物の取引もその対象となる。
クーリングオフの適用があるのは、
1.宅地建物取引業者が自ら売主となる宅地建物売買契約において、2.その事務所やそれに準ずる場所以外の場所で申込みや締結がされた場合であり、3.撤回または解除ができるのは8日間以内
である。
撤回または解除は書面で通知しなければならないが、その理由などを示す必要はなく、発信日を明確にすれば良い。その通知があったときには、売主は速やかに手付金等受領した金銭を返還しなければならない。
景観法
良好な景観の形成を促進するための施策を定めた法律で、2004年6月に公布、同年12月から施行された。
この法律は、都市部だけでなく農村部等も対象にして、地域の個性を反映した柔軟な規制等によって景観の形成を図るための制度を定めており、景観に関する基本法とされる。
景観法に規定されている主な制度としては、
1.景観行政を担う主体としての景観行政団体
2.景観計画区域の指定、景観計画の策定、それにもとづく建築等の届出、デザイン・色彩に関する勧告・変更命令など
3.都市計画による景観地区の指定、建築等のデザイン・色彩、高さ等の総合的な規制、景観認定制度など
4.住民合意による景観協定
5.景観重要建造物・景観重要樹木の指定・保全
などがある。
経年劣化
時間とともに品質が低下すること。雨風・湿気・温度変化・日照などによる品質の低下だけでなく、通常の方法で使い続けることによる摩滅、汚れ等の損耗も経年劣化である。
不動産の賃貸借契約解除の際に賃借人が負担すべきとされる原状回復は、賃借人の故意・過失等による劣化の回復であって、経年劣化による損耗の回復は含まれない。たとえば、国土交通省が示す「原状回復ガイドライン」では、原状回復を「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義し、家具の設置による床・カーペットのへこみ、設置跡などの通常の住まい方で発生するものや、フローリングの色落ち、網入りガラスの亀裂などの建物の構造により発生するものの回復は、賃貸人の負担となるとしている。
競売
債権者が裁判所を通じて、債務者の財産(不動産)を競りにかけて、最高価格の申出人に対して売却し、その売却代金によって債務の弁済を受けるという制度のこと。
契約一時金(賃貸住宅における~)
賃貸住宅を賃借するときに、賃料とは別に契約時に一括して支払う金銭。その内容や使途は場合に応じてさまざまで、契約時にはその意味や適切さについて十分に確認しなければならない。
たとえば、礼金、保証金、敷引きなどは、いずれも契約一時金に該当するが、何に対する対価であるかについて、貸主・借主双方が合意する必要がある。また、敷金は、債務を担保するためのもので契約終了時などに精算する金銭であるから、契約一時金に含めることは適切ではなく、区別して金額等を明記しなければならない。
契約の解除
契約締結時にさかのぼって契約を解消すること。
ただし、賃貸借契約のように継続的な契約の場合には、契約の効果は将来に向かってのみ解消するため、解約ということが多い。
その方法は、大きく、当事者の片方が一方的に契約を解除する場合と契約の当事者で話し合って契約をなかったことにする場合(合意解除)に分かれる。前者はさらに、法律の規定によって解除する権限が発生するもの(法定解除)と、契約などで定めた条件に従って発生するもの(約定解除)の2種類がある。
法定解除ができるのは、相手方に履行遅滞や履行不能のような債務不履行があった場合と、売買契約における契約不適合責任にもとづいて解除する場合である。また、約定解除には、解約金を支払っていつでも解約できると定めた場合(解約手付)、期間内に建物を建築しないときには買い戻す約束をした場合(買戻特約)などのケースがある。
契約不適合責任
売買契約や請負契約の履行において、引き渡された売買の目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主・請負人が買主・注文者に対して負うこととなる責任。債務不履行により生じる責任のひとつである。
買主・注文者は、契約不適合責任を負う売主・請負人に対して、履行の追完請求(補修や代替物等の引渡し請求)、代金・報酬の減額請求、損害賠償請求又は契約解除権の行使をすることができる。ただしこれらの請求等をするためには、原則として、不適合を知った時から一年以内に不適合である旨を通知しなければならない。
民法(債権関係)改正前は、売買の目的物に隠れたる瑕疵があったときの責任等について特別の規定が定められていたが、改正によってこの規定が削除され、隠れた瑕疵があった場合を含めて、目的物が契約に適合しない場合の規定に統合・整理された(改正法の施行は2020年4月1日から)。この統合・整理された規定では、引き渡した目的物が契約に適合しない場合には、引渡した者(売主・請負人)に履行の追完、代金の減額等の責任が生じることとなる。この生じる責任が契約不適合責任である。
なお、「瑕疵担保責任」は「契約不適合責任」とおおむね同義であるが、特定物(その固有性に着目して取引され代替性がない)の売買についてのみ使われる用語である。
軽量鉄骨
正式名称は「軽量形鋼」。
厚さ6mm未満の鋼板を、複雑な形状に折り曲げてつくった鋼材のことである。
この軽量鉄骨には、断面の形状等により多数の種類がある。
最もよく使用されるのは、断面の形状がアルファベットの「C」に似たもの(「リップ溝形鋼」)である。
軽量鉄骨構造
鉄骨構造の一つ。
軽量鉄骨構造とは、次のような特徴を持つ鉄骨構造である。
1.軽量鉄骨を柱・梁として使用する。
2.ブレース(brace:留め具)で柱・梁を対角線につなぐことにより、水平方向の外力に対抗できる構造をつくる。
3.木質系パネル・軽量気泡コンクリートパネル・窯業系パネルなどで壁・床を構成する。
従って、「軽量鉄骨構造」とは、在来工法の木造建築物における木造軸組を「軽量鉄骨とブレース」に置き換えたものであると考えることができる。
こうした「軽量鉄骨構造」は、一般住宅やアパートに使用されることが多い。
欠陥住宅
備えるべき安全性能を欠いている住宅をいう。
その性能としては、風雨、地震、火災に耐える性能、地盤や主要構造部の堅牢性、さらには防音、通気、シックハウス防止等室内環境の水準などがあるが、その確保すべき水準は必ずしも明確ではない。例えば、建築基準法などの法令の規定に違反している場合、常識的な住宅としての性能を欠く場合、請負契約などで予定している性能を満たさない場合などは、欠陥住宅である可能性が大きい。また、欠陥住宅であるという苦情としては、雨漏り、亀裂の発生などに関するものが多い。
欠陥住宅が発生する原因の多くは、設計の誤りか施工時の手抜きやミスである。そこで、その責任を明確にするため、住宅の品質確保の促進等に関する法律では新築住宅の建築請負者や売主に対して、柱などの構造上重要な部分や雨水の侵入を防ぐ部分について、引渡し後10年間の瑕疵担保責任が義務付けられている。さらに、住宅の性能基準を客観的に評価し、その性能を保証する制度(住宅性能表示制度)も運営されているが、この制度を用いるかどうかは任意である。
嫌悪施設
近隣に立地することが嫌がられる施設をいう。
住宅地での立地について紛争が発生したり、地価に影響を与える場合がある。
例えば、公害発生の恐れがある施設、不快感や危険感を与える施設、風紀を乱す恐れのある施設、地区のイメージやまち並みを低下させる施設などである。
だが、法令に合致した立地であればその立地を抑制することは財産権の不当な制約となる恐れがあり、また、立地の影響を客観的に評価することも困難である。個別具体的に、立地の当否について社会的な合意を図っていくほかない。
検査済証
建築工事が完了した建築物について、建築主事等は、検査の申請を受理した日から7日以内に、当該建築物について工事完了検査を行なわなければならない。
この工事完了検査に合格した場合に、建築主事等が建築主に交付する書面が「検査済証」である。
建築確認
一定の建築物を建築(増改築を含む)しようとするときに、工事の着手前に、建築計画が法令で定められた建築基準(建築物の敷地、構造、設備および用途に関する最低の基準)に適合している旨の確認を受けなければならないとする制度、または当該確認行為をいう。
確認を申請する義務があるのは建築主で、確認を行なうのは建築主事等である。
建築主は、建築確認を受けた場合には確認済証の交付を受ける他、工事を完了したときには検査を受けること、一定の場合には工事の中間検査を受けることなどの義務を負う。また、建築基準に違反した建築物については、建築主、建築工事の請負人等に対して、工事施工の停止や違反を是正するための措置を命じることができる。ただし、特別な場合を除いて、従前から存在する基準に違反の建築物(既存不適格建築物)については、増改築をしない限りはそのまま使用できる。
建築確認制度において重要なのは、建築確認を受けなければならない建築物の建築工事に当たっては、その設計は建築士が当たらなければならず、また建築士である工事監理者を置かなければならないとされていることである。この条件を満たさない建築確認申請は受理されない。つまり、建築基準を確保する仕組みは、建築確認制度と建築士制度とが一体となって初めて実効あるものとなるのである。
なお、建築基準は、都市計画区域および準都市計画区域内の建築物に対してはより厳しい基準が適用されるなど、建物の敷地場所、規模、構造、用途等に応じて詳細に定められているため、その内容については注意深く確認する必要がある。
建築基準法
国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低の基準を定めた法律。市街地建築物法(1919(大正8)年制定)に代わって1950(昭和25)年に制定され、建築に関する一般法であるとともに、都市計画法と連係して都市計画の基本を定める役割を担う。
遵守すべき基準として、個々の建築物の構造基準(単体規定、具体的な技術基準は政省令等で詳細に定められている)と、都市計画とリンクしながら、都市計画区域内の建物用途、建ぺい率、容積率、建物の高さなどを規制する基準(集団規定)とが定められている。また、これらの基準を適用しその遵守を確保するため、建築主事等が建築計画の法令適合性を確認する仕組み(建築確認)や違反建築物等を取り締まるための制度などが規定されている。
その法律的な性格の特徴は、警察的な機能を担うことであり、建築基準法による規制を「建築警察」ということがある。
建築許可
市街化調整区域での建築であって、開発行為を伴わないものに対する建築の許可をいう。
市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域であるから、建築は原則的に禁止されている。ただし、次のような場合には、建築を行なうことができる。
1.開発行為(土地の区画形質の変更)を行なうための許可(開発許可)を受けた区域内で行なう、開発許可条件に適合する建築
2.開発行為を伴わない建築で、都道府県知事の許可を得て行なう建築(都市計画法第43条)(この場合の都道府県知事の許可が「市街化調整区域における建築許可」)
市街化調整区域における建築許可は厳しく運用されていて、開発許可区域以外の区域で建築(改築、用途変更を含む)を行なえるは、次のものに限られている。
1)建築許可を要しない建築
ア.農産物、林産物または水産物の生産、または集荷の用に供する建築物(畜舎、蚕室、温室、育種苗施設など)およびこれらの業務を営む者の居住の用に供する建築物の建築
イ.公益上必要な建築物(鉄道の施設、社会福祉施設、医療施設、学校教育法による学校など)であって、適正合理的な土地利用および環境保全上支障がない建築物の建築
2)建築許可を受けることのできる建築
ア.都市計画事業の施行として行なう建築物の建築
イ.非常災害のため必要な応急措置として行なう建築物の建築
ウ.仮設建築物の新築
エ.通常の管理行為、軽易な行為として行なう次のもの
a.既存の建築物の敷地内において行なう車庫、物置その他これらに類する附属建築物の建築
b.建築物の改築または用途の変更で当該改築、または用途の変更に係る床面積の合計が10平方メートル以内であるもの
c.周辺の市街化調整区域内に居住している者の日常生活のため必要な物品の販売、加工、修理等の業務を営む店舗、事業場その他これらの業務の用に供する建築物(その延べ面積が50平方メートル以内のものの新築で、当該市街化調整区域内に居住している者が自ら当該業務を営むために行なうものに限る)
d.土木事業その他の事業に一時的に使用するための第一種特定工作物の新設
建築条件付き土地
建て売りといえば、土地とそこに立つ住宅がセットで販売されるものだが、建築条件付き土地の場合は、売り建てともいうように、土地を売るに当たって、一定期間内に売主または売主が指定する者との間で当該土地に建物を建築する請負契約を結ぶことを条件にしている。指定期間内に建築請負契約が締結されない場合は、契約は白紙解除となり、預かり金などは全額返還される。
建築物
建築基準法では「建築物」という言葉を次のように定義している(建築基準法第2条第1号)。
これによれば建築物とは、およそ次のようなものである。
1.屋根と柱または壁を有するもの
2.上記に付属する門や塀
3.以上のものに設けられる建築設備
上記1.は、「屋根+柱」「屋根+壁」「屋根+壁+柱」のどれでも建築物になるという意味である。
なお、地下街に設ける店舗、高架下に設ける店舗も「建築物」に含まれる。
建築面積
いわゆる「建坪(たてつぼ)」のこと。
建築物の柱・壁の中心線で囲まれた部分の水平投影面積を指している。
ただし、1m以上突き出た庇(ひさし)や軒等がある場合には、その庇、軒等の先端から1m後退した線までの部分のみを建築面積に算入することとなっている。
建ぺい率
敷地面積に対する建築面積(建物の水平投影面積)の割合(%)。
例えば、敷地面積が100平方メートル、その敷地上にある住宅の建築面積が50平方メートルならば、この住宅の建ぺい率は50%ということになる。
建物の建ぺい率の限度は、原則として、用途地域ごとに、都市計画によってあらかじめ指定されている。
原価法
不動産鑑定評価において、不動産の再調達原価をベースとして、対象不動産の価格を求める手法のこと。
原価法では、価格時点における対象不動産の再調達原価を求め、この再調達原価について減価修正を行なって対象不動産の試算価格を求める。この原価法による試算価格は「積算価格」と呼ばれる。
原価法は、対象不動産が「建物」または「建物およびその敷地」である場合に、再調達原価の把握と減価修正を適切に行なうことができるときに有効である。
また、対象不動産が「土地のみ」である場合においても、最近造成された造成地などのように再調達原価を適切に求めることができるときは、この原価法を適用することができる。
この場合において、対象不動産が現に存在するものでないときは、価格時点における再調達原価を適切に求めることができる場合に限り適用することができるものとする。
現況有姿売買
現在あるがままの状態(現況有姿)で売買することをいう。
山林や原野などを造成工事しないで販売することを「現況有姿分譲」といい、市街化調整区域の別荘地などの分譲でよく行なわれる。通常は、電気、ガス、水道などの施設が整備されていないために、そのままでは生活できない。分譲広告の際には、現況有姿分譲地であって、そのままでは生活する施設がない旨を表示しなければならない。
また、売主は瑕疵担保責任を免れるために、売買契約中に「現況有姿で引き渡す」旨を記載して取引することがあるが(現況有姿売買契約)、引渡しまでの間に目的物に変化があったときなどにおいてまで責任を免れることができるかどうかについては、消極的に解する(ただちには責任を免れられないとする)意見が強い。
原状回復
ある事実がなかったとしたら本来存在したであろう状態に戻すことをいう。
例えば、契約が解除された場合には、一般に契約締結以前の状態に戻さなければならないとされる(原状回復義務を負う)。また、損害賠償の方法として、金銭で補償するのではなく損害が発生する以前の状態に戻す方法(原状回復による賠償)が認められる場合がある。
借家契約では、退去時の原状回復義務を特約していることが多いが、「本来存在したであろう状態」にまで戻せばよく、借りた当時の状態にする必要はないとされている。つまり、契約に定められた使用方法に従って通常の使用をしていれば、経年劣化があってもそのまま返還すればよい。
国土交通省が公表した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、賃借人が負担すべき原状回復費用は、「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損」の範囲に限るとしている。また、東京都の「東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例(賃貸住宅紛争防止条例、いわゆる東京ルール)」(2004年10月施行)では、重要事項説明の際に、借主に対して退去時の通常損耗等の復旧は貸主が行なうことが基本であること、入居期間中の必要な修繕は貸主が行なうことが基本であること、契約で借主の負担としている具体的な事項などを書面で説明しなければならないとしている。
原状回復義務
賃貸借契約の終了時に、賃借物(たとえば賃貸住宅)を借りてから生じた損傷を回復する義務。原状回復義務は賃借人が負う。
賃借人は、通常の使用収益によって生じた損耗及び賃借物の経年変化については、回復する義務はない。損傷が賃借人の責めに帰すことができない事由によるときにもそれを回復する義務を免れる。
なお、賃貸人は、賃貸物の使用収益に必要な修繕(たとえば賃貸住宅の維持補修)をする義務を負っている。また、賃貸借契約の終了時に、受け取った敷金(賃貸借に基づいて生じた賃借人の債務額を控除した残額)を返還する義務がある。
さ行
敷金
建物の借主が、賃料その他賃貸借契約上の債務を担保するため、貸主に交付する金銭をいう。
敷金は、契約が終了した場合に、未払賃料等があればこれを控除したうえで借主に対して退去後に返還される。
修繕積立金
管理組合が管理費とは別に共用部分や付属施設などの修繕を目的とした長期計画に従って修繕を実施するために、区分所有者から毎月徴収した金銭を積み立てたものである。
管理費と同様、一般的に専有部分の専有部分の面積の割合で月額料金が定められている。
セットバック
2項道路(建築基準法第42条第2項の規定により道路であるものとみなされた幅4m未満の道のこと)に接する場合において、建物を建築・再建築する際、道路の中心線から2mとなるよう敷地の一部を後退させることをいう。
なお、セットバックした部分は道路とみなされ、建物を建築することはできない。
た行
仲介手数料
宅地建物取引業者を通して不動産を売ったり買ったり、あるいは貸したり借りたりする場合に、媒介契約にもとづき、宅地建物取引業者に成功報酬として支払うお金のこと。
媒介手数料(媒介報酬)ともいう。
定期借家契約
平成12年3月1日の改正法施行により、借家契約時に貸主が「期間の満了により契約が終了する」ことを借家人に対して、公正証書などの書面を交付して説明する場合には、賃貸期間が終了すると借家契約も終了し、借家人は退去しなければならないとする契約。
原則として契約の更新はできず、再契約には貸し主・借家人双方の合意が必要である。
停止条件
法律行為の効果の発生が、将来の不確実な事実にかかっているときの、当該事実をいう。
例えば、「宅建試験に合格したら給料を3割上げる」と約束した場合の「合格」が停止条件である。
逆に、法律効果が将来の不確実な事実によって消滅するとき、その事実を「解除条件」という。
テラスハウス
2階建ての連棟式住宅のことをいう。
隣家とは共用の壁で連続しているので、連棟建て、長屋建てともいわれる。
各住戸の敷地は、各住戸の単独所有となっている。
ら行
礼金
建物の賃貸借契約を締結する際に、借主から貸主に対して、謝礼として支払われる金銭をいう。
契約が終了しても通常、借主に返還されない。
